妊娠中の危険な出血
妊娠中にいきなり出血しだすとものすごく不安になるもの。
安静にしておけば問題ない出血と、すぐに病院にいかなくてはいけない出血がありますが、ここでは危険な出血の症状と原因を解説します。
ちなみに赤ちゃんへの影響がほとんどない出血の代表としては
◎子宮頚管にできたポリープからの出血
ポリープからの出血は感染の原因になることがあるので切除することもありますが、基本的には出産のときに自然にとれるので、頻繁に出血しないようならそのままにしておくことがほとんどです。
◎膣内のびらんからの出血
びらんとは子宮の入り口の粘膜がただれている状態のことをいいます。少しの刺激でも出血する割に痛みはありません。妊娠していなくても、多くの女性が経験する症状なので心配不要。
などがあります。
妊娠初期の出血は、しばらく安静にしてみて止まればほぼ心配はいりません。
ただし、生理用ナプキンを変えなくてはいけないくらいの出血や鮮血、おなかが張ったり、痛みがあるなど、安静にしても収まらないときは病院にいきましょう。
妊娠12週を過ぎてからの出血は、少量でもすぐに受診してください。
切迫流産、切迫早産、胎盤の位置異常、常位胎盤早期剥離による出血など、12週以降はいろいろな危険があります。特に胎盤の位置が低めだといわれている人は大出血につながる恐れがあるため、少量の出血でも直ちに病院にいってください。
以下は妊娠の時期と、直ちに受診が必要な出血の原因をまとめたものです。
【妊娠初期】
●子宮外妊娠 ・・・・受精卵が子宮の中ではなく、卵管などに着床した状態。卵管破裂を起こすと、腹腔内で大出血を起こして、母体の命が危険になります。
●早期流産(妊娠12週未満)・・・・・胎児の心拍が確認できる前に流産してしまうこと。ほとんどは胎児の染色体異常が原因です。高確率で、かなり多めの出血があります。
●切迫流産 ・・・・・・妊娠22週未満に出血があり、子宮口が閉じていて、子宮内から胎嚢が出ていない状態をいいます。ただし出血が見られても妊娠が継続できる場合が多いです。
●膣炎、子宮頚管炎 ・・・・・・膣や子宮頚管に何らかの感染が起こり、炎症が起きたところから出血することがあります。感染が子宮内へ進むと、流産、早産につながることがあるので注意。
【妊娠中期】
●絨毛膜下血腫 ・・・・・・胎盤がつくられる中で、子宮壁の血管が破れて出血したり、絨毛膜と子宮内膜のあいだに血液がたまって血のかたまりができ、体外に排出されることがあります
●子宮頚管無力症 ・・・・・・・子宮口が閉じているべきときに子宮頚管が短くなり、子宮口が開いてしまう病気。自覚症状がないので、健診で見つかることがほとんどです
●前置胎盤 ・・・・・・・ふつうは子宮内の上のほうにできる胎盤が、子宮口の全部または一部を覆ってしまうところにある状態。胎盤がはがれやすく、出血しやすいので注意しなくてはいけません
●切迫流産 ・・・・・・・・妊娠22週以降の早産。おなかが張ったり、痛んだり、子宮頚管が短くなるなどがあれば、管理入院や絶対安静が必要です
【妊娠後期】
●常位胎盤早期剥離 ・・・・・・・・・赤ちゃんが子宮内にいるうちに胎盤がはがれてしまうこと。ママから酵素や栄養が届かなくなるので、赤ちゃんの生命が危険な状態になります。子宮の収縮や激しい痛みを伴いますが、無症状で進行することも。
出血したら・・・・・・・・・・・
出血の色・量を把握
清潔なナプキンを当てる
12週以降なら、病院へ連絡して受診する
≪病院へ伝えること≫
出血の様子
サラサラ、ドロドロ、血の塊が出る、出たり止まったりしているなど、出血の状態や粘度を伝えましょう
出血の色
鮮やかな赤の場合は新しい出血、赤茶色のような色は子宮内にたまっていた古い血液がでてきた可能性があります
出血量
おりものに混じる程度、生理の終わりごろ程度、など詳しく具体的に出血量を伝えましょう
いつ出血したか、何をしていて出血がはじまったかなどを具体的に
安静にしていた時なのか、活動していたときなのかで原因が異なることがあります。
外出中、仕事中、なにかにぶつかった、就寝中など、具体的に伝えましょう
出血しているときは細菌感染しやすい状態にあります。少量であっても入浴、シャワーはやめておきましょう。止まっても、入浴してもよいかどうか医師に確認してからにしましょう。
!特に緊急度が高いケース!
・激しい腹痛
・高熱(38℃以上)
・おなかが張る
・胎動がなくなった
・前置胎盤と診断されている
・子宮頚管が短くなったといわれている
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