妊娠後期(28-39週)の食生活

妊娠後期(28-39週)の食生活

おなかがかなり大きくなる時期なので、胃腸が圧迫されてすぐにおなかがいっぱいになります。

 

胃酸が逆流して胃もたれにも悩まされやすくなります。一度にたくさん食べられないので、少量ずつ何回かにわけて食べるようにします。

 

1回の食事の量が少なくても、間食で補うという方法もあります。もちろん間食はお菓子ではなく、4回目の食事という感覚で、栄養バランスを考えた充実したメニューにします。

 

 

お菓子やスナックは高カロリー・低栄養で満足感も得られないため、たくさん食べ過ぎて体重増加の原因になります。

 

料理をする気になれない時期でもありますが、出産・産後のことを考えて体力を蓄えておかなくてはいけない時期です。いい加減なことはできません。

 

極力手間がかからず、栄養バランスの良いメニューを心がけましょう。

 

 

 

そして水分は十分とりましょう。できれば1日1リットルを目安にとるのが望ましいです。

 

36週を過ぎると胎児がだんだん下がってきて胃の圧迫感がとれ、少しずつ楽になってきます。

 

だからといって食べ過ぎず、お菓子の量も増やさず、これまでの食習慣を続けましょう。

 

豆腐やきのこなどカロリーが低く、栄養価が高い食材をたくさん使うとよいでしょう。

 

 

 

32週を過ぎると妊娠中毒症が心配になってきます。妊娠中毒症になると、胎盤機能が低下し、赤ちゃんの発育が悪くなります。

 

低体重児が生まれたり、胎盤がはがれて赤ちゃんが亡くなるケースもあります。もちろん母体の命にかかわることもあります。

 

妊娠中毒症の症状はむくみ、高血圧、尿たんぱくなどがあります。

 

夕方になると足がむくむというのなら心配はいりませんが、朝から足や手の甲がむくむようになると要注意です。指輪がきつくなったり、手指のしびれや手が握りにくいなどの症状がでます。

 

足を押すと指型にくっきりへこみ、戻ってこないという状態になったら、検診のときに医師に相談してください。

 

 

 

体重の急な増加も危険です。1週間に500g以上増えた場合はむくんでいることが多いので検査しましょう。

 

 

血圧が急に高くなったら非常に危険です。上が140mmHg、下が90mmHgを超えると高血圧とみなします。

 

また尿検査で尿タンパクの反応が出た時は、腎臓に負担がかかっている証拠です。妊娠中毒症では腎臓障害が進んで腎不全になると、産後も元に戻らないので怖いのです。

 

産後3カ月以上たっても高血圧やたんぱく尿が残ると、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病になる可能性が高くなります。

 

 

 

 

症状が軽ければ家で安静にしていれば大丈夫です。重症の場合は入院したほうが安心でしょう。

 

食事は細心の注意を払って減塩を心がけ、たんぱく質・鉄・ビタミン・カルシウムをたっぷりとるようにしながら、体重をしっかり管理します。

 

妊娠する前から高血圧、腎臓病、心臓疾患がある人、血縁に妊娠中毒症経験者がいる人は特に注意が必要です。